2025/11/07 09:52

― 四国八十八ヶ所を巡る、心と身体の準備 ―

四国八十八ヶ所のお遍路は、弘法大師・空海ゆかりの霊場を巡る、長く深い祈りの旅です。
歩き遍路、車遍路、バスツアーなど、形はさまざまですが、共通して大切なのは「心構え」と「持ち物の準備」です。
今回は、お遍路に出る前にそろえておきたい基本の持ち物をご紹介します。


■ 納経帳(のうきょうちょう)

お遍路で訪れたお寺ごとに「御朱印(納経)」をいただくための帳面です。
各札所でご本尊の名前とお寺の印を押していただけるため、自分の巡礼の記録となり、旅の証そのもの。
参拝後、納経所で御朱印料(300円〜500円程度)を納めると書いてもらえます。

■ 納め札(おさめふだ)

各札所でお参りの際に納める、自分の名前や住所を記した札です。
「自分はこの寺に参拝しました」という証でもあり、先達や同行の方との交流にも使われます。
白・緑・赤・銀・金といった色によって巡礼回数が示され、長く続けるほど深まるお遍路文化の象徴でもあります。

■ お経本(経本)

本堂・大師堂でお経を唱えるために使います。
お遍路では「般若心経」や「光明真言」などを唱えるのが一般的です。
難しい場合は、心を込めて合掌するだけでも十分とされています。

■ お数珠(じゅず)

手に持って心を整えるための仏具。
数珠を通じて煩悩を鎮め、祈りを形にする意味があります。
持ち慣れた数珠を持参するのがよいでしょう。

■ お線香・ロウソク・ライター

本堂・大師堂でお供えし、手を合わせる際に使います。
ロウソクで火を灯し、お線香を立て、静かにお参りするひとときは心が整う瞬間。
風の強い日はライターが重宝します。

■ 御朱印料(納経料)

お寺で御朱印をいただく際に納めるお布施です。
お寺によって異なりますが、一般的に1ヶ所あたり300円〜500円が目安。
小銭をまとめておくとスムーズです。

■ お賽銭(おさいせん)

お遍路で各札所を参拝する際、本堂と大師堂それぞれでお賽銭を納めます。
お賽銭は「お願い料」ではなく、感謝の気持ちを形にしたお供え。
金額の多寡ではなく、心を込めて納めることが大切です。

一般的には、10円や50円、100円玉などの小銭を使います。
一日で複数のお寺を巡る場合も多いため、事前に小銭を多めに用意しておくと安心です。

▪ お賽銭を納める場所

お寺によって少し違いますが、基本的には次の2ヶ所です。
 1. 本堂(ご本尊にお参りする場所)
 お線香・ロウソクを供え、合掌・お経を唱える前にお賽銭を納めます。
 2. 大師堂(弘法大師さまにお参りする場所)
 本堂と同じようにお賽銭を入れ、合掌・お経を唱えます。

お賽銭箱はそれぞれの堂の正面に設置されています。
もし場所がわからない場合は、先にお参りしている方の所作を参考にするのも良いでしょう。




【ポイント】
お賽銭を投げ入れるのではなく、静かに置くように入れるのが作法です。
チャリンという音さえも、心を込めた「祈りの音」だと思って納めましょう。

■ その他あると便利なもの

・歩き遍路の場合:リュック、タオル、雨具、水筒、地図、帽子、スニーカーなど
・車やバスの場合:参拝順番を確認できる地図アプリ、納経帳の保護ケース、モバイルバッテリーなど

■ お遍路の持ち物は「心を整える道具」

お遍路の持ち物は、単なる旅行道具ではなく、自分と向き合う時間を支えるためのものです。
一つひとつに意味があり、扱い方や所作を通じて心が穏やかになります。


あなたの「お遍路の旅」が、穏やかで実りある時間となりますように。